簡単に楽しめる屋上のコンテナ菜園

去年は、かなり大型のコンテナで、比較的大きく育つカブや菜っ葉の仲間を作りました(その様子はここをクリック!)。今年は、スペースが限られている場所にも簡単に設置できる、比較的小さなコンテナを用意してラディッシュを作りました。コンテナのサイズは、幅100cm×奥行き40cm×高さ50cmです。培養土は、赤玉土、鹿沼土、腐葉土、たい肥などを混合して、保水性と通気性に配慮しました。
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■金属メッシュ素材を使った菜園コンテナ。10cm刻みで、サイズを調整できます。

関東以西の太平洋側の平地は比較的暖かいので、種類を選べば秋からでも野菜を栽培して楽しめます。中でもラディッシュは、寒さに強くて生長が早く、あまり手間を掛けずに栽培できるので、初心者でも収穫が楽しめる比較的失敗が少ない野菜です。写真は10月10日にタネをまいて、9日後の10月19日の様子です。
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■芽が出揃ったラディッシュの苗。

白い薄布は、ポリエチレン製の細い繊維をシート状に絡ませた「不織布」です。光の90%を通しながら、ラディッシュの葉に卵を産み付けるガが飛び込んでくるのを防ぐことができます。さらに、通気性を確保しながら、強い風を遮ることができるので、吹きさらしの屋上には便利な資材です。自在に曲がる骨を立ててトンネル状にして使いました。
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■屋上は地面を這ってくる害虫がいないので、風でめくれないよう簡単な押さえをするだけで、無農薬栽培ができます。

芽が出揃ったところで、ふたばが傷ついたものや、形がいびつなものを間引きます。この後も、混み合い具合を見ながら間引いて、本葉が2~3枚になる頃に1本にします。不織布を使うと、収穫するまでに必要な作業は、水やりと間引きだけです。間引いた苗は、もちろん食べられます。
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■最初は、キズついたりや形が崩れた苗だけを間引きます。その後、生長にしたがって間引いて、一か所に1本にします。

タネをまいてから1か月経った、11月10日の様子です。
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■ラディッシュも、収穫が近くなると葉が大きくなるので、混み合わないように株間は10~15cm必要です。

根元を見ると、じゅうぶんに太って収穫適期になっています。このまま置いておけばまだ太りますが、肌がひび割れて硬くなったり、中に「ス」が入ったりするので、遅れないように収穫しましょう。
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■生鮮野菜では入手できない品種を揃えました。左から、パープル・スター、ゴールド・スター、レッド・ヘッド

今回もタネでしか入手できない、色や形が変わっ珍しい品種を作ってみました。穫りたてはもちろん、入手が難しい種類を作れるのも自家菜園ならではの楽しみです。
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■上下で紅白になる、丸いレッドヘッド。ラディッシュは丸いという先入観を崩す、細長いロング・スカーレット。

収穫後は、有機肥料を軽く一握りまいてよく培養土と混ぜ、10日程度休ませればもういちどラディッシュを栽培できます。12月から2月頃は気温が低くなりますが、不織布のトンネルが、急な冷え込みや乾燥した冷たい風からラディッシュを護ってくれます。寒くなるので、ラディッシュの成長も遅くなって収穫まで2か月くらいかかりますが、じっくり育って甘味が強くなります。その後、春からはトマトやシシトウなどの夏野菜を育てます。