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雑草取りが苦痛になったとき

新しく庭を作ったり、既にある庭を自分の理想の庭にリフォームしたり、と多くのかたが心地よい緑の空間で過ごされています。そのような気持ちのゆとりは、生活に潤いを与えてくれますが、それから10年、15年経つと、そうはいってられない状態になることがあります。

高齢になってこられたかたや、膝や腰を悪くされた方達は庭仕事が苦痛になってきます。温暖化が進む中、雑草は抜いても抜いても生えてきて、除草作業に追われるようになります。秋、といっても日中は夏のような日差しで、雑草の勢いも衰えません。そのような状況で、体調のすぐれないかたや高齢のかたは、雑草を抜く作業が大きな負担になっています。なるべく雑草が生えなくて、手入れが楽な庭にしたい、という相談も多くなっています。

よくある方法は、防草シートを敷いてから砂利を敷くやりかたです。この方法で雑草は生えにくくなりますが、単順に同じ砂利を敷くのではなく、場所によって砂利の大きさに変化をつけて、庭らしさを保つ工夫をすることが大切です。

別の方法として、真砂土を原料とした舗装材を使用して雑草をシャットアウトしています。写真のお宅は都心には珍しく緑の豊かなお庭でしたが、最近あまりに雑草が多くなり、手入れが大変になってきた、ということでつくったのが、舗装材を使ったテラスです。

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赤いレンガ色の丸いテラスはもともとありました。タイルなので雨の日はすべるし、夏は照り返しが強いです。丸いテラスというのも使える部分が少ないので、その周りに、この舗装材を使って四角く広くしたテラスを拡張しました。この舗装材はセメントのように固まるのですが透水性があるので、その中に植え込みスペースを作っても水は植物に浸透していきます。

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コンクリートに囲まれた植え込みの中の植物のように水不足にはなりません。透水性はあるけれど固まるので、舗装材の部分は雑草ははえてきません。またザラッとした感触なので土のような風合いを楽しめます。必要なくなって壊したい場合は砕いて土に混ぜても害はありませんので安心です。

雑草対策はこれからの課題となりそうです。

【土の話】 ピートモスについて

緯度や高度が高い場所にある湿地に生える苔や草が枯れて、温度が低いために腐らず、何千年、何万年をかけて積もったものをピート(泥炭)と呼びます。むかし、北欧やスコットランドなどでは、このピートを掘り出して乾かしたものを燃料として使っていました。

このピートの塊を、農業用、園芸用の土壌改良材に利用するために乾かしてから砕き、中の枯れ枝などを取り除いたものを「ピートモス(peat moss)」と呼びます。カナダ、北欧、樺太あたりが大きな産地です。最近は、中国奥地の高原地帯で採れたものが、日本に入ってきています。土に混ぜると軽くなり、一時的に通気性と保水性が良くなるため、栽培期間が短い苗物の生産や、家庭園芸の培養土によく使われています。

しかし、もともと枯れた植物の残骸が、温度が低い場所にあったために腐らずに残ったものなので、気温が高い日本などで使うと、それまでの遅れを取り戻すように1年程度で分解してしまいます。屋上など、特に夏の温度が高くなる場所では、異臭を放つベチャベチャした粘土のような状態になってしまうこともあります。こうなると、植物は育ちません。

このようにピートモスは、栽培期間が短い鉢物や、ハンギングバスケットの培養土のように軽くて保水性の良さが求められる場合には、とても良い土壌改良材になりますが、何年も土を入れ替えずに栽培する大きなコンテナ、屋上緑化や庭木の土に利用する場合は、気を付けましょう。

◆屋上緑化の芝生に使われたピートモスが主成分の培養土
植え付けてから1年程度の状態。腐った臭いがして、排水性が悪くなって踏むと水が滲み出てきます。こうなると芝生も枯れてしまいます。

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◆ピートモスを含まない培養土を使った屋上の芝生とコンテナ菜園
植物の種類や植える場所に合った培養土を使えば、植物は何年も元気に育つので、土を取り替える必要もありません。

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時間をかけて

土がないと庭とは言えないのでしょうか。
ある程度のスペースがないと庭とは言えないのでしょうか。

爽やかな緑の一枝を花瓶にいけても、
それは心安らぐ庭と言えると思います。

土がなくても木陰を楽しむ樹木を植えることはできます。
工夫して、樹木が長く育つ土とプランターを使えば可能です。

小さなスペースだから、大切に使いたいから時間をかけて、
いろんな可能性を、「う~ん。」とうなりながら考えるのです。

幸せなことに、土があって、ある程度のスペースが取れるなら
更に広い緑の空間ができます。

一度に完成させてしまうような勢いで作らなくても、
5年先、10年先のことを考えて、少しずつつくってもいいと思います。

K邸はこんな無愛想な空間が、時間をかけて、考えながら作っていったら
緑豊かな気持ちのよい場所になりました。

施工前

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施工後

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